キャラクター
猫猫
Maomao
『薬屋のひとりごと』(くすりやのひとりごと)は、日向夏による日本のライトノベル。およびそれを原作とするメディアミックス作品。
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『薬屋のひとりごと』(くすりやのひとりごと)は、日向夏による日本のライトノベル。およびそれを原作とするメディアミックス作品。
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架空の中華風帝国、茘(リー)を舞台に、後宮に勤める官女・猫猫(マオマオ)が王宮内に巻き起こる事件の謎を薬学の専門知識で解くミステリー、ファンタジー、ラブコメディ小説である。略称は「薬屋」。
2011年10月に小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始され、人気を得たことから第1部「後宮編」が2012年9月にRay Books(主婦の友社)から単行本として発売された。
その後、ヒーロー文庫(主婦の友社→イマジカインフォス)で2014年8月に第1部が新装刊され、以後継続して発行されている。
2017年からは『月刊ビッグガンガン』(スクウェア・エニックス)と『月刊サンデーGX』(小学館)の月刊誌2誌で、それぞれ別の漫画家により原作本編のコミカライズ版が並行連載されている。
2025年3月より、マンガアプリ『マンガUP!』(スクウェア・エニックス)にて、原作者による書き下ろしストーリーを基にした『薬屋のひとりごと外伝 小蘭回想録』の連載が開始された。月刊ビッグガンガン版コミカライズの構成を担当している七緒一綺が作画を含め漫画化を手がける本作は、猫猫の友人である小蘭の視点から描かれるスピンオフ作品である。
2025年12月から展示会『小説『薬屋のひとりごと』原作展 毒と薬、科学とミステリー』が、東京、横浜、大阪、と各都市を巡回している。
2026年8月時点で、全世界でのシリーズの累計部数は5700万部を突破している。
医師である養父を手伝って薬師として花街で働く少女・猫猫は、薬草採取に出かけた森で人攫いにあって、下女として売られてしまう。そこは2000人の官女と1000人の宦官を擁する、美しき瘴気渦巻く女の園「後宮」であった。
後宮の年季が明けるまで目立たぬように勤めるつもりの猫猫だったが、「皇子の衰弱事件」の謎を解いたことから美形の宦官である壬氏の目に留まり、それ以降さまざまな事件の解決を手伝わされることとなる。
皇帝の4人の妃の一人である玉葉妃は、猫猫を気に入って自分の毒見役として側に置くようになる。さらに、その活躍を知った皇帝から直々に、梨花妃の病気を治すよう命じられた猫猫は、化粧の「白粉の毒」を見抜いて回復させる。また園遊会では、青魚アレルギーの里樹妃の皿に鯖が入れられたことを発端に、里樹妃の毒殺が偶然にも防がれたことを見抜く。
さらに、16年前に起こった阿多妃の赤子の死亡事故について、「阿多妃の侍女頭が赤子にハチミツを与えた」ことが原因だったと推理する。そして、「阿多妃によって、皇太后の赤子と阿多妃の赤子が入れ替えられたのではないか?」という推測を巡らせる。
阿多妃の侍女頭・風明が、赤子死亡の原因であったことが判明したことから、風明の実家と取引のあった侍女すべてが、大量解雇の憂き目にあい、猫猫も解雇されて花街に戻ることになる。しかし、猫猫を気に入っている壬氏は、金子をはずんで妓楼のやり手婆から猫猫を貰い受けて、再び後宮で働くことになる。
後宮の外に位置する「外廷」で、壬氏付きの侍女として働くこととなった猫猫は、倉庫の小火騒ぎ、高官の食中毒事件、宮廷お抱えの彫金師をめぐる遺言騒動など、一見関連のない事件が次々と持ち上がる。猫猫はこれらが偶然ではなく、ある人物の意図によって仕組まれた一連の事件であることを見抜き、祭祀の式典に単身乗り込んで要人の危機を救う。
その後、これらの事件の黒幕である女官・翠苓と、猫猫と顔見知りだった女官・子翠によって拉致されてしまう。子翠の正体は、腐敗した子(シ)一族の娘・楼蘭妃であった。彼女の真の目的は、母や一族の悪事を清算し、一族に虐げられてきた異母姉・翠苓と、罪のない子供たちだけを救い出すことにあった。
事態を察知した壬氏は現場に交渉に赴き、子翠から「一度死んだとされた者は見逃す」という条件を引き出す。これにより、毒で仮死状態にあった翠苓と子供たちは一命を取り留め、一族の罪から解放される。一方の子翠は行方をくらまし、消息不明となる。
猫猫は、実父である稀代の軍師・羅漢との将棋勝負をきっかけに、羅漢のかつての恋人であり梅毒によって廃人同様となった母 鳳仙を身請けさせ、自身の出生をめぐる長年の因縁に区切りをつける。
医官付きの官女となった猫猫は、同僚たちと宮廷の実務にあたる一方、隣国・砂欧の巫女をめぐる毒殺未遂事件の裏に潜む政治的思惑を暴く。この事件の最中、壬氏は、猫猫に対して予期せぬ求婚をするが、猫猫はその真意を測りかね、はっきりとした返事をしないまま関係は宙に浮いたままとなる。
やがて、蝗害の兆候への対応に追われる壬氏は、皇位継承権を自ら放棄するという重大な決断を下し、政治の表舞台から一歩退いた立場で国政に携わることになる。その後、玉葉妃は東宮となる男児を出産して「玉葉后」となる。一方で猫猫は、実父・羅漢との血縁関係が周囲に知れ渡ったことで後宮内での居場所を失い、花街へ戻って再び薬屋としての生活を始める。
猫猫(マオマオ)
声 - 悠木碧(ドラマCD版・テレビアニメ版)
演 - 芦田愛菜
本作の主人公。17歳→21歳。身長153センチ。
養父とともに花街で薬師をしていたが、物語開始の3ヶ月前に薬草採取のために1人で外出した森で人攫いにあい、後宮務めの下級女官として売り飛ばされた。薬師であったため女官としては学があるが、後宮内で能力を発揮しても猫猫を売りとばした人攫いへの送金が増えるだけであり、それを嫌って無能を装っていた。しかし、玉葉妃とその娘の病気の原因を見抜き、匿名で訴えたことで壬氏に薬師としての能力を知られ、玉葉妃付きの侍女に抜擢されるも、その内実は壬氏の手駒として関わることとなる。
顔立ちはそれなりに整っているが、人目を引くほどの特徴はなく、どちらかと言えば地味。そのため、後宮や宮廷では国中から集まる美女たちに埋没し、まったく目立たない。それでも、花街では襲われる危険性があるために化粧や黥でシミやそばかすを書き醜女に見せていた。女官となった後も、そばかすを消すタイミングを逸した上、壬氏からも残すよう言われたためそのままにしている。普段はそばかす以外はまったく化粧をしていないが、たまに必要に迫られてきっちり化粧をすると別人のように綺麗になる。そのため、花街時代から「化粧すると化ける」と言われていたらしく、壬氏からもそう評されている。体格は小柄で痩せ型、胸も小さく、猫猫も自覚している。
頭の回転が速く、薬や毒に対する好奇心や研究心が旺盛でかつ造詣も深く、これが病気への理解にも繋がっている。また、薬や医学に関する養父の蔵書を読むために西方の言葉を独学で身に付けている(ただし、読むことはできるが話すのは得意ではない)。一方、それ以外のことに対してはまったく興味がなく、そのために知識がかなり偏っている。毒薬を自分の体で試した傷跡を隠すために左腕には常に包帯を巻いているが、周囲からは「過去に虐待を受けていたことを隠すため」と勘違いされており、同情を集める一因となっている。毒に詳しい上にさまざまな毒に対して免疫があるため、後宮では主に毒見役を務めた。しかし、好奇心や研究心が強すぎて、いざ毒に中るとむしろ喜んでしまうため、壬氏などから呆れられている。一方で、蕎麦に対するアレルギーを持っており、一口でも食べると蕁麻疹を発症し、最悪呼吸不全を起こす。自らの経験則からアレルギーを「特定の体質に発する毒」として捉えている。また、ザルといえるほど酒に強く酒好き。体格の良い男数人を相手に飲み比べを行い、余裕で勝った。また、後に蝗害を目の当たりにしたことから飛蝗が嫌いになった。
人付き合いは得意ではなく、必要最低限の会話以外は自分から口を開くことはあまりない。ただし、極度に疲労した時や飲酒した時は本人も驚くほど饒舌になることがある。市井の知人どころか小姐たちにまで「友だちがいない子」と認識され、緑青館で小蘭の話をすると、白鈴には喜びのあまり泣かれた程である。妓女の娘として花街で生まれ育ったため、本来の口調はかなり荒っぽい。女官となってからは必要に迫られ改めているものの、身内が相手の時や悪態をつく時などときおり素の口調が出てしまうことがある。また、花街で男女関係の裏まで見て知り尽くしているため、男性を見る目は極めて醒めており、恋愛に対する幻想も持っていない。その一方で、生物学的な興味から「出産は経験してみたい」と述べている。世の中の理不尽に関しても達観しており、権力者の理不尽は「するかしないか」ではなく「できるかできないか」であると語っている。壬氏に対しても「無駄に美しい」容貌や粘着質の性格を苦手としており、つい蛞蝓を見るような目で見てしまうことがある。そのため壬氏の好意に長いことまったく気がつかなかった。
風明の事件の関係者として後宮女官を解雇されたが、壬氏に身請けされる形で外廷勤務に復帰した。その後ふたたび花街に戻ったが、「砂欧編」からは医官付きの官女となり、宮廷医局で働くようになった。宮中から一度出た者が戻ること自体珍しい中、三度目は相当異例であり、顔見知りの女官に不思議がられている。医局で働くようになってから、必要に迫られて外科の技術も身に付け、茘の法律上女性は医官になれないため立場は官女のままであるが、実質的に医官と同等の仕事をするようになっている。西都に行ったあと、雀からの言葉もあり壬氏からの好意に素直になりはじめ、水蓮から「両思い」といわれるようになった。
『このライトノベルがすごい!』女性キャラクター部門では2024年版で9位を獲得している。
壬氏(ジンシ)
声 - 櫻井孝宏 / 大塚剛央、潘めぐみ(幼少期)
後宮の管理を担当する宦官。その容貌は大変美しく、「天女の微笑み」「花の顔(かんばせ)」などの形容詞で語られるとともに「性別が違えば国さえ傾ける」とも称され、下女はその姿を見れば顔を上気させ、蜂蜜の様といわれる甘い声をかけられれば失神し、下級妃や男性の武官からも夜の誘いの声がかかるほど。猫猫曰く「無駄に美形」。公称24歳だが、大人びた外見よりも実年齢は若い。少々粘着質なところがあり、また、目的のために使えるものは何でも使う。ただし、その奥の「素」の性格は、外見に反してどちらかというと地味で堅実。
出典: 薬屋のひとりごと (CC BY-SA)
構造化された情報、ユーザーの意見、AIが抽出した関係を区別して表示します。
猫猫のことはその能力はもちろん、あえてそれを隠して勤めていた判断力とともに、自らの外見に全く惑わされないことから興味を抱き、それがやがて好意に変わっていった。だが前述の通り、お愛想程度の笑顔で老若男女問わず自身になびいてくる状態だったためか、興味のある相手の気を惹く手法は子供並みで、相手が自分以外の相手を頼ったというだけでもへそを曲げる。また、個人としては善良な部類で、職務上は関わる対象はともかく、罪もない者が理由もなく理不尽な目に遭うことには気に病む質である。
華瑞月(カズイゲツ)
現皇帝の弟とされている。その正体は壬氏と同一人物。18歳→22歳。身長180センチ。
病弱を理由に普段は滅多に人前に姿を見せず、祭事等どうしても出席しなければならない行事では前髪を深く垂らして顔を隠す、もしくは顔の下半分に覆面を着用し、他人と目が合わないようにしている。
皇帝等の身内からは瑞(ズイ)もしくは月(ユエ)、臣下など本名を呼べない人々からは月の君、もしくは夜の君と呼ばれる。
現皇帝の弟という正体を伏せて王宮内で目立つ容貌で活動することで、皇帝への裏切り者をあぶり出し忠誠心を試す試金石となっていた。また、後宮を安定させて帝の跡継ぎとなる東宮を誕生させることで、自らの皇位継承順位を下げることを目論んでいたが、8巻では自身の腹に焼きゴテを当てて、身体を傷つける形で皇位を拒否する姿勢を見せる。
父親とされている先帝は幼児性愛者で若い妃にしか興味を示さなかったこと、長兄とされている34歳の現皇帝とは16歳も年が離れている(作中の社会では親子でも通じる年齢差である)ことから、その出自を疑う者もいる。
華瑞月(壬氏)は出生直後から先帝と皇太后の第二皇子、つまり現帝の弟として育てられたが、実際は現帝とその妃である阿多妃の間に最初に生まれた赤子が華瑞月(壬氏)である。一方、華瑞月(壬氏)の誕生と同時期に、皇太后は現帝の弟にあたる赤子を出産したが、蜂蜜摂取によりその赤子は幼少時に死亡。そこで、死亡した『皇太后の子』(現帝の弟)と『阿多妃の子』(現帝の息子)が秘密裏に取り替えられたというのが真実である。
壬氏が阿多妃によく似た風貌であることから、猫猫は赤子の取替があったことを推理していた。14巻にて阿多が認める発言をし、15巻にて帝もある事情から赤子の取替があったことに気づいていた。